『妹』青春ブタ野郎はおでかけシスターの夢を見ない『可愛い!』
普通という言葉に息苦しさを感じている方は読みましょう! 是非!
こんにちは。ぺんぺそです。
やっと読めました、青春ブタ野郎シリーズ第8作。
可愛らしい絵柄と文体とは裏腹に思春期の少年少女が持つ悩みをぐさぐさぶっさしてくシリーズの最新作です。
- あらすじ
初恋の人・翔子の未来を願った12月が過ぎ、いつの間にか咲太も高校二年生の3学期を迎えていた。
三年生の麻衣と峰ヶ原高校で一緒にいられる学生生活も残り僅かとなったなか、長年おうち大好きだった咲太の妹・花楓が誰にも明かしたことのない胸の内を打ち明ける。
「お兄ちゃんが行ってる高校に行きたい」
それは花楓にとって大きな決意。極めて難しい選択と知りながらも、咲太は優しく花楓の背中を押してあげ――。
ややネタバレも含みますよ~。
- 感想
花楓ちゃんが一歩踏み出せてよかった!
とある事から『ふつう』から外れてしまい不登校になってしまった花楓。
これまでも兄である咲太と一緒にどうにか『ふつう』へと戻れるように努力を続けていきます。
その過程は5巻で描かれています。花楓ではなくて『かえで』だった時。
はじめは外にすら出る事すらできなかったのにどうにか保健室登校まで復帰。
そして大きな分岐点である高校受験へ立ち向かう事になります。
『ふつう』な全日制の高校に通うのがいいと願う花楓。学力や内申点的に絶望的な状態ではありましたが花楓の願いをくみ、一緒に努力をつづけていくのですが。
普通の人であれば些細な事だったでしょうが花楓にとっては大きな出来事があり受験に失敗してしまいます。
多くの人が協力してくれたのに満足いく結果が得られなかった事から花楓はまた自信を失ってしまいます。『ふつう』にやる事ができない自分、一生懸命頑張ってくれていた『かえで』に対する申し訳なさでいっぱいだったんですね。
ただそのぐらいの年齢ですと仕方ないような。
その当時だったら選択肢だった事を思いもしないでみんなとほぼほぼ同じ道を選びますもん。小学校、中学校ぐらいしか他の人を知らないわけで、それで見える世界なんてたかがしれてると思います。実際自分もそうだったですしね。
しかしここで咲太がイケメン過ぎるんだよな。
あーしろ、こーしろと言うわけではなくただ淡々と 選択肢を用意していくんです。
色々な学校、通信制の学校も、それに通っている生徒へのアポイントメントも。
多分ふつうの道なんかなくて、いろんな道が広がっているだけだと言うみたいに。どんな道を選んだとしたって周りにいる人は一緒にいると。
日本は個性に厳しい面がありますしね。世界に一つだけの花があれだけヒットしたというのに、その花を主張とすると徹底的に叩かれる。だから、『ふつう』とは違う道を選ぶことはとても勇気のいる行為です。
実際に花楓が選んだ道がどうなったのかは本編で確かめてみてください。
今作での『ふつう』に対する恐怖心とそれに対する一種の回答が描かれている作品でした。
そして次巻につながる不穏なラスト。今作ではほとんど姿を見せなかった思春期症候群絡みの事件の予感が……
10月にはアニメが始まる『青春ブタ野郎シリーズ』続きが早く読みたいっ!
ちなみに一作目はこっちです。タイトルで際物臭しかしない…………
ではまた!